不妊症の原因
(西洋医学的な見方)

不妊症と言っても男性か女性のどちらか、またはその両方の場合など様々あります。できるだけ早く原因が何であるかを確かめ、適切な治療を受ける必要があります。
女性側の原因

1. 卵巣/無排卵性月経または無月経、黄体機能不全
月経は行われても排卵されていない状態。
ストレス、精神的な悩みなどから来る心因性の場合が多くあります。
2. 卵管/狭窄、癒着、閉鎖
月経は行われても排卵されていない状態。
ストレス、精神的な悩みなどから来る心因性の場合が多くあります。
3. 子宮/筋腫、腺筋症、先天奇形、発育不全
子宮は受精卵を着床して育てる大切な場所です。
子宮の筋層の中にできた「筋腫の芽」が女性ホルモンの影響で大きくなってきた良性の腫瘍でガンではありません。
筋腫ができる部位によって、漿膜(しょうまく)下筋腫、 筋層内筋腫、粘膜下筋腫の3つに分けられます。
4. 子宮頚管/粘液分泌不全、頚管炎
頚管粘液は、排卵日の3~4日前から排卵日にかけて分泌される(0.3ml以上)索糸性の高い透明なおりものです。
精子はその助けを借りて子宮頚管内を上昇し、子宮内にはいるのですが、頚管粘液の分泌が少ない場合、精子が子宮腔内に入ることが難しくなります。
5. 骨盤腹膜炎、癒着
高熱や下腹部の激痛、吐き気、嘔吐、などといった腹膜刺激症状がみられます。
慢性化すると、卵巣、卵管、子宮、腸管、腹膜などの炎症部位が癒着し、鈍痛や牽引痛、腰痛などを起こします。
6. 子宮内膜症
子宮内膜組織が、子宮内腔面以外の組織や臓器などに存在してその部位に炎症が起き、卵管、腸、腹膜などに癒着が生じたり、血液のかたまりが出来たりすると、卵巣膿腫ができることもあります。
進行した子宮内膜症になると、骨盤内の癒着がひどくなり妊娠の妨げになる場合があります。
男性側の原因

1. 精巣(造精機能障害)
精液検査で精子の数、運動率、奇形率が基準以下の場合
無精子症:精液中に精子が存在しない状態。精子がつくられていない場合と、射精されるまでの過程で精子が輸送されていない場合があります。
精子減少症:精液1cc中に静止画2000万個以下の場合をいいます。
精子無力症:元気な精子が50%未満、または活発な直進運動をする精子が25%未満をいいます。
2. 精路閉塞
精巣で精子が作られているにもかかわらず、精液が出てこない。精液が出ていても中に精子がない場合は、精子の通り道に何らかのトラブルが発生していると考えられます。
3. 性交障害(インポテンツ)
性交時に勃起できない。射精ができない。
ほとんどの場合は精神的な原因によって起こります。
4. 逆行性射精
精液が体外に出されずに膀胱内に排出される病気です。専門医の診察が必要です。
5. その他、内分泌ホルモン異常、染色体異常など
高熱や下腹部の激痛、吐き気、嘔吐、などといった腹膜刺激症状がみられます。
慢性化すると、卵巣、卵管、子宮、腸管、腹膜などの炎症部位が癒着し、鈍痛や牽引痛、腰痛などを起こします。
男性および女性 両方の原因

免疫性不妊
女性のなかには血液中に精子に対する抗体ができてしまう場合があります。(抗体とは異物が体内に入ってきた時に、その異物を排除するために作られる物で生体の防御反応のひとつです。)
その抗体が頚管粘液の中などに分泌されると、精子進入、受精の妨げになる場合があります。
現在不妊症の原因となる抗精子抗体には精子不動化抗体と精子凝集抗体があると言われています。
なかでも精子不動化抗体が陽性の場合は大変困難な不妊症になる場合があります。
原因不明の不妊
数々の検査を行なっても、明らかな不妊の原因が判明しないものを言います。