西洋医学の不妊治療

西洋医学の不妊治療

身体を温める

タイミング法とは、その名のとおり「女性の排卵の時期とセックスのタイミングを合わせること」で妊娠させる最も基本的な治療方法です。
そのためには、最も妊娠しやすい日がいつなのかを正確に知ることと、そのタイミングでセックスをすることが重要になります。タイミング法を実施するにあたっては、基礎体温の計測が欠かせません。

排卵している可能性が高い時期を予測する方法

基礎体温

基礎体温をある一定期間付けている人であれば、自分の排卵が起こる日をある程度予測することができるようになります。
通常であれば、排卵は生理が始まった日から約2週間後、基礎体温が最も低くなる日の付近で起こるとされています。
ただしここで重要なのは、最も体温が低くなった日に必ず排卵しているわけではないということです。ここはよく勘違いされやすいところです。
実際、この日に排卵が起こる確率は20%にも満たないと言われています。
実は排卵日の可能性が一番高いのは、最も体温が低い日から体温が上昇している期間、つまり低温期から高温期へと移行する時期です。
最も体温が低くなった日から1~2日後が最も高いと言われています。
ただ、「最も確率が高い」というだけで、これは絶対とは言い切れません。個人差や、その時の体調にも左右されるからです。
ただ、知っておくことで、妊娠の確率をあげることができるのは間違いないのでぜひ覚えておいてください。

超音波断層法

排卵は、卵胞が20mm前後に成長したときに起こります。 そのため、排卵の時期を予測することが出来ます。

子宮頸管粘液(おりもの)の量と質

排卵日が近づくと、頸管粘液(おりもの)が増えるため、排卵を予想することが出来ます。
清潔な指を膣に挿入することにより、自分で調べることが出来ます。排卵日が近づくと、おりものの粘性が高まり、ねばねばした状態になるため、糸を引くように伸びやすく透明で色が薄くなります。

タイミングと回数

タイミングと回数

タイミングと回数

排卵日の予測ができたら、そのタイミングでセックスをすれば妊娠する可能性が非常に高まることは言うまでもありません。
普通に考えれば、一番妊娠しやすい日は排卵日ですが、精子のほうが長生きなため、排卵の3日前から排卵日の翌日と幅があります。そのため排卵日の前後5日間は2~3日に1回セックスをしたほうがいいでしょう。
また妊娠を妨げる要因が特にない場合、セックスの回数が多いほど妊娠する可能性が高いことが分かっています。一番妊娠する確率が高いのは、週に1回以上(月に5回以上)の夫婦であるというデータもあります。

タイミング法を実践している期間は、どうしても排卵日にあわせてセックスすることだけに意識が集中してしまいがちですが、夫婦が楽しいと思えるセックスの回数を増やすことも大切であるということです。

人工授精

人工授精

人工授精は、痛みや出血などが無く、しかも短期間で終えることが出来る比較的負担の少ない治療法です。
排卵の時期をみはからって、採取した精液を子宮内に直接注入していきます。
排卵があり、卵管が通っていることが前提条件です。フーナーテストの結果が悪く、精子が卵管を通り抜けることが出来ない場合や、精子数が少ない、精子の元気が無いなどの場合に適応とされます。

人工授精では精子の受精能力を調べることができないため、体外受精をすすめられる場合もあります。
精液そのものを注入する場合もありますが、精液から元気な精子を選別して用いることが多くなってきています。感染症などを予防するために、抗生物質が処方されることがあります。

人工授精の1周期あたりの妊娠率は7%とそれほど高くありません。一般的に何度か繰り返して行ないます。だいたい3回目までに妊娠することが多く、7~8回目になると妊娠率は非常に悪くなってきます。

AID

人工授精の際に、夫以外の非配偶者の精子を使う場合があります。
AIDが受けられる条件は、夫の精子がない場合か、それに近い状態になります。女性側は排卵があり、卵管が通っていることが前提条件になります。

体外受精

体外受精は、卵管から取り出した卵子と採取した精子を、シャーレの中などで受精させて、その受精卵を子宮内に戻す方法です。

現在では体外受精も不妊治療として広く行なわれるようになり、特別な方法ではなくなりつつあります。体外受精はもともと卵管に問題がある人のために開発された方法です。
また腹腔内に癒着があったり、女性側に抗精子抗体がある場合もすすめられます。抗精子抗体も受精卵に対しては働かないことがわかっています。
シャーレの中で卵子と精子が自然に受精するのを待つため、精子の受精能力を調べることも出来ます。

顕微授精

顕微授精は体外に取り出した卵子を顕微鏡で見ながら直接精子を注入し、受精を起こし、その受精卵を子宮内に戻す方法です。
精液中に精子が確認できない場合でも、精巣や精巣上体から精子を取り出して、顕微授精を行なうことが可能です。
精子に元気がない場合、卵を守っている細胞層、膜などを突き破ることが出来ず受精することが出来ません。そのため体外受精、顕微授精で受精卵を直接子宮内に戻します。精液内に精子がなく、精巣や精巣上体から精子を採取する場合は、どちらも精子は未成熟のため、培養してから顕微授精を行ないます。

ギフト法

体外受精と同じ手順で卵子と精子を採取しますが、受精をさせないでお腹を開き、卵管内に直接戻す方法で、受精は卵管内で自然と起こります。
卵管に異常がない場合に適応となります。
卵子と精子を卵管に戻す時、腹部に穴を空けて腹腔鏡を入れる為、全身麻酔をする為に、行う回数が限られます。限度として3~4回です。

ジフト法

体外で卵子と精子を自然に受精し、受精卵を卵管内に戻す方法です。体外受精とギフト法との中間のような方法です。

卵子子宮移植法(OUT法)

採卵前日にセックスを行い、精子がすでに子宮内でスタンバイした状態から、採卵した卵を直接子宮内に戻す方法です。
人工受精の逆方法になります。狭くても良いので卵管が詰まっていない事と、フーナーテストで異常がないことが条件になります。

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